北極域シミュレーションシステム

北極域シミュレーションシステム

実施責任者:小室 芳樹(海洋研究開発機構)

北極域の環境変化を理解する上で、数値モデルによるシミュレーション研究は観測・フィールドワークや理論・解析的研究などの手法と並ぶ重要な柱の一つです。特に気候モデルは、北極だけでなく地球全体、現在だけでなく過去・将来の環境変化を理解し評価する研究のベースとなるデータを作成できる重要なツールです。しかし、モデルの高解像度化や複雑化に伴う計算負荷の増大は、個々の研究者が独立して数値実験を行うことを困難にしています。

本研究基盤では、気候モデルなどの数値モデルを用いて実験を行い、その結果をプロジェクト内の研究課題等に提供して北極研究の進展に資することを目的として活動を行います。北極域の空間解像度を選択的に高くしたモデル設定を使用するなど、北極研究に特化しかつ計算負荷の高い実験を実施します。さらに、研究課題の研究者と協力し、粒子追跡実験など計算結果の発展的な活用に取り組みます。あわせて、本研究基盤の計算結果を含む気候・環境研究のシミュレーションデータを利用し、ADS研究基盤等と協調して一般向けに発信する活動にも取り組みます。