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スイスアルプス野外実習2025
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執筆者:安宅 飛明(北海道大学)
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今回は、ArCS IIIと北海道大学の連携事業として参加枠が全国に公募され、北海道大学から5名、千葉大学、東京大学、総合研究大学院大学からそれぞれ1名の修士課程大学院生が選ばれて参加しました。様々な大学からの参加により、異なるバックグラウンドを持つ学生同士の交流が深まり、議論や共同作業を通じて多様な視点を共有する貴重な機会となりました。
実習では、まずスイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校にて、2名の現地研究者から氷河に関する講義を受けました(写真1)。その後、グリンデルワルトに移動し、Jungfraujoch高地観測所(Sphinx)を訪問しました。ここでは職員の方から、Sphinxでの生活や行われている気象観測・観測機器について説明を受けながら所内を見学することができました(写真2)。
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写真1:スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校での講義の様子 -
写真2:Jungfraujoch高地観測所(Sphinx)でダストについて説明を受けている様子
続いてローヌ氷河に移動し、氷河地形や山岳環境の観察を中心に調査を行いました。具体的には、湖の水圧の測定(写真3)、氷河上でのGPS観測(写真4)、河川流量の測定(写真5)などを実施し、氷河の動態や周辺環境を理解するための基礎的なデータを収集しました。これらのデータは4つの班に分かれて解析を行い、最終日には各班が成果を発表しました(写真6)。
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写真3:水圧計を仕掛けている様子 -
写真4:GPS観測を行う様子 -
写真5:流速を測定している様子 -
写真6:最終日の発表会の様子
夜には学生が持参した北極ボードゲームを行い、環境問題や資源利用をめぐる意思決定について議論するなど交流を深めるとともに、自分たちの研究や将来の進路について語り合う場ともなり、有意義な時間を過ごすことができました(写真7)。

写真7:北極ボードゲームをやりました!
私たちは日々の活動を記録し、「スイス野外実習 実習日誌」としてまとめています。実習の様子については、以下のリンクからご覧いただけます。