活動報告

日本・スイスの共同国際プログラム「ICAARUS」キックオフワークショップ参加報告

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日本・スイスの共同国際プログラム「ICAARUS」キックオフワークショップ参加報告

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執筆者:吉田 淳(国立極地研究所)


からの3日間にわたり、スイスのシオンにあるローザンヌ連邦工科大学(EPFL)にて、ICAARUS(In situ Cloud-Aerosol interaction in the ARctic using Uncrewed Systems)のキックオフワークショップが開催されました。

ICAARUSは、急速に温暖化が進む北極域において、係留型気球システム(ヘリカイト)やドローンなどの無人システムを活用し、雲とエアロゾルの相互作用の鉛直構造を現場観測から解き明かすことを目指す、日本・スイス間の国際共同研究プログラムです。私は本プロジェクトの若手研究者枠として参加して、スイスが主導するヘリカイトを用いた大気観測プロジェクトを見学したり、座学や食事の場などを通じてスイス側の研究者や技術者との交流を深めたりしました。

スイス側が運用するヘリカイトに関する座学で強く印象に残ったのは、EPFLにおけるエンジニアとサイエンティストの緊密な共同体制です。日本ではなかなか見られない体制であり、非常にうらやましく感じました。ヘリカイトには様々な測器が搭載されていますが、自前の開発によってソフトウェア・ハードウェアともに優れた拡張性を持っています。この柔軟な装置開発はまさに共同体制だからこそなせる技であり、研究の幅を大きく広げる強みになっています。また、ワークショップ参加者の多くはヘリカイトの操作の経験がありませんでした。そのため、ヘリカイトの仕組みが単なるブラックボックスにならないよう、システムの理論から安全管理の仕組みまで、非常に詳細かつ丁寧な説明が行われていたのが印象的でした。

屋外で行われた実技訓練では、日本側で今後オペレーターの一人を務める佐藤和敏さん(国立極地研究所)が実際に手を動かしていました(写真1)。様々な観測機器が搭載された巨大なヘリカイトが膨らみ、空へと浮上していく様子は非常に見ごたえがありました(写真2)。普段は地上や船上でしか運用を見かけないような機器がヘリカイトに取り付けられてはるか上空まで上がり、貴重な大気の鉛直データを取得している様子を目の当たりにしたのは、一人の研究者としてとても感慨深かったです。

最終日には、日本側の代表である猪上淳さん(国立極地研究所)と、スイス側の代表であるJulia Schmaleさん(EPFL)を中心に、今後のプロジェクト方針についてのミーティングが行われました。両国の強みを生かして何ができるのか、そしてどのようなサイエンスができるかについて、熱心な議論が交わされました。両サイドとも、これまでの研究実績や進行中のプロジェクト(例えば日本のArCS IIIなど)の状況をしっかりと示していたことが印象的でした。国際共同研究を成功させるためには、これまでの地道な実績の積み重ねが相手の信頼を勝ち取るために重要であると痛感するとともに、私自身も国際的な信頼を得るためにこれからもいいサイエンスを行っていきたいと思いました。


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