活動報告

2025年度海洋地球研究船「みらい」北極航海

公開日

2025年度海洋地球研究船「みらい」北極航海

海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する海洋地球研究船「みらい」は、北極域研究強化プロジェクト(ArCS III)の活動として、に23回目にして最後の北極海観測航海を実施します。観測内容は主に戦略目標①の研究課題に関連するものですが、研究成果やデータの発信、他の研究課題との連携を通じて、戦略目標②戦略目標③の達成にも貢献します。

2025年度みらい航海概要

1997年10月の就航以来、日本の海洋観測の旗艦として世界中の海を長年調査してきた海洋地球研究船「みらい」は、今年で任務を終え退役します。実に22度の北極海観測を実施してきた「みらい」は、アラスカ・ダッチハーバーから最後の北極航海に出発します。

2025年航海では、CTD観測をはじめとする基礎的な海洋データ(水温・塩分・酸素・栄養塩など)はもちろん、ネットや水中カメラを駆使した動物・植物プランクトン調査、環境DNAを用いた先進的な生物調査、極域に広がるプラスチック汚染といった、これまでの北極域研究プロジェクト(ArCSArCS II)から引き継いだ調査を行います。さらには「金魚」の愛称で知られる気球を上げて行うユニークな気象・大気観測もあれば、これまた通称「金魚すくい」と呼ばれる「みらい」独自の海氷採取、そして次世代の自動海洋観測装置として期待される極域用水中ドローン「COMAI」の運用試験などなど、いろいろな分野の研究者が一丸となって盛りだくさんで活動していきます。

氷を割って進む砕氷機能は持たない「みらい」ですが、専用の海氷・気象予報の配信支援を受けながら(国立極地研究所・㈱ウェザーニュース協力)、安全かつ効率的に、太平洋側北極海の入口から氷海域まで広くカバーした調査が予定されています。目まぐるしく変わる北極海が今年はどんな様子で迎えてくれるのか、一同ワクワクしています。船上の様子の一部はLIVE配信もしますので、私たちの活動をぜひご覧ください。

海氷減少/温暖化・海洋酸性化・プラスチック汚染など、北極海の危機的な変化が報告されていますが、これまで培ってきた知見・技術を存分に活用した観測により、地球で最も気候変動が早く進行している北極海の現状が解明されていくことでしょう。そして四半世紀を超えて蓄積した高精度観測データは、将来の北極、そして地球がどのように変わっていくのかを知る鍵となることでしょう。

 

航行船


海洋地球研究船「みらい」


航海期間


2025年8月31日〜10月5日までの35日間


調査海域


北極海・ベーリング海・北太平洋


「みらい」北極航海の予定航路


「みらい」北極航海の予定航路

地図上の海氷分布は、北極海氷情報室「2025年海氷予報第三報」によるの海氷分布予測を示しています。
出典:北極海氷情報室(https://asic.nipr.ac.jp/


調査研究実施内容


LIVE!みらい北極航海 #みらいtheFINAL

2025年度北極航海中、その様子を YouTube Live で毎週配信します。

詳細はこちら

番組内では、みなさまからの質問にもお答えします。下記の受付フォームからお送りください。
乗船者への応援メッセージも大歓迎です。

「みらい」北極航海2025
質問・応援メッセージ受付フォーム

2025 北極海からのメッセージ

2025年度北極航海実施中、「みらい」乗船者からのメッセージを掲載します。お楽しみに!
(こちらの内容は JAMSTEC公式X(旧Twitter) でも発信します。)

これまでの「みらい」北極航海特集ページ

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