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ノームでのフィールド実習② ― おしょろ丸での地元住民交流会の開催
執筆者:大西 富士夫(北海道大学)
(アラスカ時間)、北海道大学水産学部附属練習船「おしょろ丸」のノームへの寄港に合わせて、船内で地域住民との交流会を開催しました。当日は、先住民団体、地方自治体、水産・環境関係機関、教育機関、報道機関などから15名が参加しました。
交流会では、まず参加者は2グループに分かれて船内を見学しました。研究者や学生、乗組員が実験室や観測設備、操舵室などを案内し、「おしょろ丸」で実施している海洋観測や北極研究について紹介しました。船内見学ではノームの参加者から観測技術や観測データについての専門的な質問がたくさん寄せられ、北極海での海洋研究に対する期待と関心の大きさが伝わってきました。
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おしょろ丸の操舵室を見学する参加者
続いて行われた交流会では、坂岡桂一郎船長(北海道大学水産学部)による歓迎の挨拶が行われ、その後チーフ・サイエンティスト松野孝平准教授(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)が北極域研究強化プロジェクトArctic Challenge for Sustainability III(ArCS III)の概要とともに、ベーリング海およびチュクチ海で実施している海洋環境、プランクトン、魚類、海鳥、海洋哺乳類、マイクロプラスチックなどの観測・研究について説明しました。
また、学生と地域住民との意見交換では、ノームでの暮らしや先住民の知識と科学の関係、水産資源と海洋哺乳類との関わり、食料安全保障、資源開発と環境保全の両立、気候変動が地域社会に及ぼす影響など、多岐にわたるテーマについて活発な質疑応答が行われました。学生にとっては、北極地域が抱える課題を地域住民の視点から直接学ぶ貴重な機会となり、自然環境と人々の暮らしが密接に結び付いていることへの理解を深めることができました。
今回の交流会は、「おしょろ丸」がノームへ寄港した際に地域住民を船内へ招いて実施した初めての試みとなりました。交流会の開催にあたり多大なご協力をいただいたゲイ・シェフィールド氏(アラスカ大学フェアバンクス校教授)からは、「参加者全員が船内見学や研究紹介を大変楽しみ、次回の寄港を心待ちにしている」との温かいメッセージが寄せられました。研究者・学生と地域住民が直接対話を行うことで、科学研究と地域社会とのつながりを深め、北海道大学とノーム地域との今後の連携につながる大変有意義な機会となりました。
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集合写真
この住民交流イベントは、ノームの地元公共ラジオ局であるKNOMラジオや地元紙のThe Nome Nuggetでも取り上げられました。このイベントに関するニュースレポートはこちらでご覧いただけます: