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The Arctic Is More Than Just Ice! (in Japanese)
執筆者:大友 孝祐(同志社大学 商学部3年)
皆さん、こんにちは!
2026年度「おしょろ丸」北極航海に公開実習生として参加した、同志社大学商学部3年の大友 孝祐です。
7月末に北極航海を終え、先日、国立極地研究所の一般公開にて、航海で得た経験や学びを紹介する機会をいただきました。当日はスライドを使った発表に加え、ブースでも実習生が交代で来場者の皆さんに航海の様子をお伝えしました。中でも印象的だったのは、実際の北極の氷に触れた子どもたちの姿です。興味津々で氷に手を伸ばす子どもたちの姿を見て、北極という遠い場所が、子どもたちにとって少し身近な存在になったのではないかと感じました。また、子ども連れのご家族だけでなく、私と同年代の大学生も多く訪れてくれました。お話ししてみると、北極と南極の違いについて、意外と知られていないことにも気付かされました。
そこで今回は、一般公開でお伝えした「北極の魅力」と「北極から学んだこと」を、改めてご紹介したいと思います。
北極の魅力は、自然と文化の融合!
皆さんは、北極と南極の違いをご存じでしょうか?どちらも氷に覆われた寒い地域というイメージがあるかもしれません。しかし、両者には大きな違いがあります。南極には定住する先住民がいない一方、北極域には古くから人々が暮らし、厳しい自然環境の中で独自の文化や歴史を育んできました。私が今回の航海で訪れたアラスカ州ノームも、そんな北極域の街の一つです。
ノームは19世紀末のゴールドラッシュで急速に発展した歴史を持ち、現在も地域の人々の暮らしや文化が息づいています。一般公開では、ゴールドラッシュ当時の賑わいを伝える写真や、現地の博物館で見た先住民文化に関する展示を紹介しました。北極の氷に触れながら、こうした歴史や文化についてお話しすると、来場者の皆さんも興味深そうに耳を傾けてくださいました。
壮大な自然だけでなく、そこに暮らす人々の文化や歴史にも触れられること。
これこそが、今回私が発見した北極の大きな魅力です。
北極海航路は、誰に利益をもたらすのか?
一方、今回の航海では、北極が抱える課題についても考える機会がありました。商学部に所属する私が、航海前から特に関心を持っていたのが「北極海航路」です。北極海の海氷が減少する中、北極海を通る航路には、アジアとヨーロッパを結ぶ新たな物流ルートとしての可能性が注目されています。しかし、国際物流にとっての経済的なメリットが、そのまま北極に暮らす人々の利益につながるとは限りません。
そこで私は、ノームでの住民交流の機会に、北極海航路の発展が地域にどのような影響をもたらすのか、現地の方々に質問しました。印象的だったのは、その答えが決して一つではなかったことです。「北極海航路は地域に利益をもたらすと思いますか?」という問いに対しても、人によって回答が異なり、単純に賛成・反対と割り切れるものではありませんでした。
もちろん、その背景を短い交流の中ですべて理解できたわけではありません。地域には様々な立場の人々が暮らし、経済や環境、政治など、多くの要素が関わっています。だからこそ、外から北極の発展を考える私たちも、一つの立場や経済的な指標だけで判断するのではなく、現地の人々の声に耳を傾け続ける必要があるのだと感じました。
先住民の方々とともに、北極が持続可能な形で発展していくためには、何が必要なのか。今回の航海で得たのは、この問いに対する明確な答えというよりも、問い続けることの大切さだったように思います。
文系学生が北極で学ぶ意味
私は普段、商学部でビジネスや経済について学んでいます。今回の「おしょろ丸」では、海洋観測や生態系の調査など、これまであまり接する機会のなかった分野について、研究者の皆さんから学ぶことができました。専門分野の異なる方々と一緒に生活し、実習や日々の会話を通じて新しい知識に触れられたことは、何より楽しい経験でした。そして、北極の研究には自然科学だけでなく、社会科学の視点も重要なのだと実感しました。
気候変動によって海氷が減少すれば、生態系だけでなく、人々の暮らしや産業、国際物流にも影響が及びます。自然環境の変化を理解するとともに、その変化に社会がどう向き合うのかを考えることも大切です。私自身、北極についてはまだまだ勉強中です。しかし、専門分野の違う学生が北極を訪れ、それぞれの視点から考えることにも、この公開実習の大きな意義があると感じています。
北極の魅力を、これからも伝えていきたい
今回の一般公開で、多くの方々とお話しする中で、北極はまだまだ身近な存在ではないのだと感じました。北極と南極の違いや、北極に人々の暮らしがあること、そして北極海航路の可能性や課題についても、知る機会はそれほど多くないのかもしれません。
しかし、北極で起きている変化は、決して遠い地域だけの問題ではありません。だからこそ、北極の魅力を伝え、そこで何が起きているのかを知ってもらうことには意味があると思います。今回、子どもたちが北極の氷に興味津々だったように、何か一つの体験が、新しい世界を知るきっかけになるかもしれません。
私もこの航海に参加した一人として、北極について学び続け、その面白さや課題を多くの人に伝えていきたいと思います。最後になりますが、貴重な航海と発表の機会をくださった関係者の皆様、そして一般公開でお話を聞いてくださった皆様、本当にありがとうございました!
Best wishes for your life’s journey!